九九はなぜ9×9までなの?
加藤学習塾ブログ
2025/05/21
【学びの雑学】なぜ九九は「9×9」まで?もっと覚えたら便利じゃないの?
こんにちは!
突然ですが、みなさん九九ってどこまで覚えていますか?
もちろん「9×9=81」までですよね。
小学校の2年生で習う九九。
「いんいちがいち、いんにがに…」と覚えた記憶がある方も多いと思います。
でも、こんなふうに思ったことはないでしょうか?
「なんで9×9で終わりなの?10×10や12×12まであった方が便利じゃない?」
今回はそんな疑問に、雑学を交えてお答えしていきます!
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■ 九九のルーツはなんと2000年以上前!
九九の起源は日本ではなく、古代中国にあります。
紀元前の中国では、「九九(きゅうきゅう)」と呼ばれる掛け算表が使われていました。
ただし、これは「9×9の掛け算表」という意味ではなく、「9から始まる逆順の表」だったんです。
たとえば「九九八十一(9×9=81)」から始まり、「九一九(9×1=9)」というように、大きい数字から順に覚えるのが当時のスタイル。
いわゆる“口唱(くちしょう)”して暗記していたんですね。
日本ではこの中国式の九九が奈良時代~平安時代に伝わり、江戸時代の寺子屋教育にも広まりました。
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■ なぜ「9」まで?数字の都合と実用性のバランス
「なぜ10や12まで覚えないのか?」という疑問に対する答えは、実はとてもシンプルです。
🔸1ケタ×1ケタの範囲で完結しているから
日本では10進法(0〜9までの数字)を使っています。
つまり、「1ケタの数×1ケタの数」でできる最大の計算が「9×9=81」なんですね。
暗記しておけば、ふだんの計算の基礎はこの範囲でほぼカバーできます。
日常生活でも、商売でも、計算に時間がかかっては困るので、実用的かつ覚えやすい「9×9」が最適だったわけです。
🔸昔の学習環境では、これ以上は非効率だった
昔の人たちは紙も鉛筆も簡単に手に入る時代ではありません。
計算はそろばんや暗算が中心。
だからこそ「最低限で効率的な暗記」が重視されていたのです。
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■ 世界の九九はどこまで?他の国はどうしてる?
実は、九九が「9×9」までなのは日本や中国などアジア圏に多い特徴です。
一方で、インドやイギリスではちょっと違います。
🟡 インド式九九は「12×12」まで!
インドでは暗算をとても大切にしており、子どもたちは「12×12=144」まで丸暗記しています。
インド式数学は「計算力の高さ」で有名ですが、その基礎がここにあるのです。
🟡 イギリスなど英語圏では「Times Table(掛け算表)」を使う
イギリスの小学校では、「12×12」までの掛け算表を使うのが一般的。
これは昔、1ポンド=12ペンスなど12進法的な単位が多かったため、その名残とも言われています。
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■ とはいえ「10×10」以上も覚えて損なし!
「9×9」で十分とはいえ、もし時間や意欲があるなら「10×10」「12×12」まで覚えてみるのもおすすめです。
例えば…
• 算数オリンピックなどの高度な計算問題
• 中学入試や高校入試の速算問題
• 暗算・そろばんの上達
• 日常での素早い暗算
に役立つ場面が出てきます。
「覚える量が多い=不利」とは限りません。
覚えた分だけ、自分の脳の引き出しが増える。
それが学びの面白さでもあります。
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■ おわりに:九九は“最強の時短ツール”
今やスマホでなんでも計算できる時代。
でも、九九のような「身体に染みついた知識」は、自分の頭で考える力の土台になります。
九九は、「これだけ覚えれば十分」とされるほど、合理的に作られた暗記表。
学びの基本がぎゅっと詰まった“最強の時短ツール”なんです!
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