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紙はなぜ燃える?火の科学と人類史
加藤学習塾ブログ
2025/12/16

紙が炎に包まれる様子は身近ですが、そこには驚くほど深い化学と歴史があります。紙は主にセルロースという植物由来の繊維でできており、このセルロースは熱によって分解し、可燃性ガスを発生させます。このガスが酸素と結びつくことで、炎となって燃え上がるのです。
“火”は文明そのものと密接に関わっています。人類が火を使い始めたのは約70万年前と言われ、食べ物を加熱し、寒さから身を守り、武器を作り、夜を照らすなど、生活のあらゆる部分に影響を与えました。紙が燃えるという現象はその一部ですが、実は燃焼とは「光」「熱」「化学反応」が織りなす高度な科学現象なのです。
紙は燃えやすいですが、それには理由があります。①表面積が広い、②繊維構造で空気が通りやすい、③水分が少ない、という3つの特徴があり、火がつく条件(酸素・可燃物・熱)が揃いやすいためです。逆に濡れた紙は燃えにくく、炭化するだけで炎にはなりません。
現在、紙の燃焼実験は防災教育でも使われています。燃えやすい素材を知ることは、火災を防ぐために非常に重要だからです。また、耐火紙・難燃紙の研究も進んでおり、建築や産業の安全性に役立っています。紙が燃えるという単純な現象の裏側には、生活に直結する科学と歴史が詰まっているのです。
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